表示に関する登記

客体

表示に関する登記(表示登記)の客体となるのは、土地と建物です。

そして、土地に関しては、私権の目的となり得ることが必要です。例えば、海面下の土地は、原則として私権の対象とはならないので、表示登記をすることはできません。ただし、池沼・ため池に関しては私権の対象となり得るので、表示登記をすることができます。

登記される内容

表題部には、登記されている土地・建物がを特定するための事項が記録されます。なので、価格は記録されません。

これらに加え、所有者も登記されます。

土地に関する登記の場合

所在・・・土地の住所のことです。

地目・・・土地の用途を示す項目です。具体的には、宅地、畑、山林などがあります。

地積・・・土地の面積のことです。

建物に関する登記の場合

所在

種類・・・建物の用途を示す項目です。具体的には、居宅、店舗、事務所、工場などがあります。

構造・・・例えば、「鉄筋コンクリート3階建て」といったことです。

床面積・・・床面積は、壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積のことをいいます。図でいうと、左側の点線で囲まれた部分の面積が床面積として登記されます。区分所有法上の床面積の場合は、内側線ですね。この違いが重要です。

これは部屋を上から見たときの図です。

中心線と内側線

申請人

表示登記は、原則として登記官が職権で行うことができます(不動産登記法28条)。

しかし、建物の分筆・合筆登記は表示登記の一種ですが、職権で行うことができません。

土地だけにされる表示登記

分筆登記

分筆登記とは、一筆の土地を数筆に分ける登記のことです。図にすると、以下の通りです。

分筆登記

 

元々の土地に抵当権が設定されている場合は、分割された土地それぞれに抵当権が存続することになります。

分筆登記 - 抵当権がある場合

しかし、以下のように、分筆後、抵当権をいずれか一つの土地のみに抵当権を存続させる場合には、抵当権者の承諾が必要です。その抵当権は、もともと一つの広い土地を目的としており、土地が分筆された結果、目的物が狭い土地一つになってしまうので、当然ですね。

分筆登記 - 抵当権を一方の土地に存続させる場合

合筆登記

合筆登記とは、複数の土地を一筆に合併する登記のことです。図にすると、以下の通りです。

合筆登記

建物だけにされる表示登記

分割登記

分割登記とは、付属建物を元の建物から分割して独立の建物とする登記のことです。図にすると、以下の通りです。

分割登記

合併登記

 合併登記とは、ある建物を建物の付属建物とする登記のことです。図にすると、以下の通りです。

合併登記

それぞれの建物に抵当権が設定されている場合は、登記の事務手続が煩雑になるので、原則として合併登記をすることはできません。ただし、それぞれの建物に設定された二つの抵当権の登記の目的・登記原因・日付・受付番号が同一である場合は、合併の登記をすることができます。

 

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