居住用不動産の処分
背景
昨今では、成年後見人が、成年被後見人を犠牲にして、自己の利益のために利用するようなことが起きています。
特に、成年被後見人の居住用不動産の売却、賃貸、賃貸借の解除または抵当権の設定その他これらに準ずる処分は、成年被後見人の生活に大きな影響を与えるので、特に保護しなければなりません。
効力
そこで、成年後見人が、成年被後見人の居住用不動産を処分する場合は、裁判所の許可を得る必要があります(859条の3)。
859条の3 成年後見人は、成年被後見人に代わって、その居住の用に供する建物またはその敷地について、売却、賃貸、賃貸借の解除または抵当権の設定その他これらに準ずる処分をするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。
もし裁判所の許可を得ずに上記の行為を行えば、その行為は無効となると解されています。
被保佐人や被補助人の居住用不動産の処分についても、上記と同様の規定がされています(876条の5第2項、876条の10第1項)。
居住用不動産は生活に不可欠なものであり、居住用不動産を処分することは、人々の生活に大きな影響を与えることなので、居住用不動産の処分において、成年被後見人・被保佐人・被補助人を保護するためにこのような規定がされています。
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