借地権の更新後の話
更新後に建物が滅失した場合
更新後に建物が滅失した場合は、借地権者は、地上権の放棄または土地の賃借権の解約の申入れをすることができ(借地借家法8条1項)、申し入れから3カ月経過すると借地権は消滅します(同条3項)。
8条1項 契約の更新の後に建物の滅失があった場合においては、借地権者は、地上権の放棄または土地の賃貸借の解約の申入れをすることができる。
3項 前二項の場合においては、借地権は、地上権の放棄もしくは消滅の請求または土地の賃貸借の解約の申入れのがあった日から3月を経過することによって消滅する。
建物が滅失して借地権の意味がなくなった以上、借地権者に借地権を消滅させることを認めたのです。
ただし、建物が滅失した場合に、借地権の消滅を申し入れることができるのは、更新後に限られます。せめて最初の30年間は、借地権設定者の地代に対する期待を保護するためです。
借地権者が、更新後に建物を再築した場合
借地権者が、更新後に、借地権設定者の承諾を得ないで残存期間を超えて存続するような建物を再築した場合は、借地権設定者は、地上権の消滅の請求または土地の賃借権の解約の申入れをすることができ(同条2項)、申し入れ後3カ月を経過すると借地権は消滅します(同条3項)。この借地権消滅の申し入れは、更新後に建物が無断で再築された場合に限られます。
8条2項 前項に規定する場合において、借地権者が借地権設定者の承諾を得ないで残存期間を超えて存続すべき建物を築造したときは、借地権設定者は、地上権の消滅の請求または土地の賃貸借の解約の申入れをすることができる。
なお、転借地権が設定されている場合は、転借地権者がする建物の再築は借地権者がする建物の再築とみなされます(同条5項)。
8条5項 転借地権が設定されている場合においては、転借地権者がする建物の築造を借地権者がする建物の築造とみなして、借地権者と借地権設定者との間について第2項の規定を適用する。
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