宅建士試験に合格するために必要なこと

宅建士試験の特徴

宅建士試験は、法律資格の中では合格しやすい資格ですが、油断すると絶対に合格できない試験です。逆に、正しい方法でしっかりと勉強すれば、確実に合格できる試験です。

今回は、その正しい方法について説明していきたいと思います。正しい方法といっても、単に勉強の方法論に終始するのではなく、一発合格を目指すとなると、今まで宅建士試験を受けたことがなく不安も大きくなりがちなので、精神的な部分の対策も必要になってきます。私は、宅建試験に一発で合格しているので、その部分もしっかりお話できると思います。それについては最後の方でお話しします。

宅建士試験合格に必要な勉強時間

宅建士試験に合格するためには、300時間程度と言われています。明確に数えたわけではありませんが、私もそれくらい勉強したと思います。

大体300時間の勉強が必要となると、不動産業界で働いている方であれば、仕事のある日は2時間、休みの日(一般的には、水曜日)に5時間勉強する場合は、4カ月半の準備期間が必要となります。

不動産業界以外で働いている方であれば、平日に2時間、土日に5時間勉強をする場合は、4カ月弱の準備期間が必要となります。

専業(勉強だけに専念できる方)の方であれば、毎日5時間ずつ勉強する場合は、2カ月強の準備期間が必要となります。

もちろん、これらはあくまで目安であって、150〜250時間の勉強で合格する方もいます。準備期間でいうと、1カ月の勉強で合格される方もいます。

私個人の感想ですが、一番重要なのは勉強の密度だと思います。短時間でも集中して効率よく勉強すれば、勉強時間はあまり関係ないと思います。私の場合は、早めに学習を始めた(3月ぐらいだったと思います)のですが、一時期忙しくて3カ月程宅建の勉強をすることができなかったので、あまり効率の良い勉強をしていませんでした。なので、集中していれば、もっと短縮できたのではないか?と個人的には思っています。

必要な教材

基本的には、市販のテキスト一冊と過去問だけです。民法に関しては少し詳しいテキストを選んだ方が良いと思います。六法があるとより良いです。通常の六法はもちろん、宅建試験用の六法も販売されているので、自分に合ったものを選ぶと良いと思います。六法は高いイメージがありますが、ポケット六法やデイリー六法が比較的安いです。六法の選び方については「宅建士試験に六法全書は必要!?購入する場合の最適な六法全書とは」という記事で詳しく書いています。

民法を確実に理解するためには、条文を読むことが必須です。民法は年々難化していますが、しっかり理解すれば安定的に高得点を狙える科目です。実務でも役に立つことなので、じっくり時間をかけて勉強しても無駄ではないと思います。

色々なことを書きましたが、結局一番大切なのは、自分にとって読みやすい教材であるかどうかです。一口に宅建士試験対策といっても色々な本があるので、一度本屋さんに足を運んで、見比べてみると良いと思います。

科目別の対策

基本的にはどの科目も同じなのですが、使うものと戦略が若干異なります。

全科目に共通する対策

テキストを3回以上通読してください。可能な限り早く回すことが大切です。特に、民法はとても長い法律なので、ゆっくり勉強しているとそのうちにはじめの方を忘れ、次に回すときはまた新たな知識の補充の時間となってしまいあまり効率が良くないからです。選んだ教材にもよりますが、基本的にあまり詳しくないテキストであれば1周/2週間、詳しいテキストであれば1周/1カ月を目安にしてください。ただし、これはぎりぎりのラインなのでこれより早く回した方がよいと思います。

回しているうちに、読むのが早くなっていき、1周回すのに必要な時間もどんどん減ってくるので、最終的には5周やそれ以上回すことも可能です。回せば回す程力がついていき、安定的に得点することができるようになります。

あと、過去問はテキストの通読と同時進行でやってください。たまに、過去問を解くのはもったいないから、直前までに取っておこうというという方がいますが、それは間違いです。過去問はまさに本試験に合格するために必要なことが集約されている教材です。できる限り早く解いて、本試験がどういったものなのかイメージすることが大切です。

もちろん、はじめは全然解けないと思います。私は半分も正解できていませんでした。しかし、過去問を繰り返していくうちに、テキストの知識についてもどんどん理解が深まっていきました。過去問はテキストに書いてあることの理解を促進する役割も果たすので、早い段階で過去問に着手しましょう!

本試験では何があるかわからないので、普段の勉強で過去問を解くときは、本試験の時間よりも厳しいノルマを課すようにしてください。もちろん、はじめからやってもあまり意味がないので、ある程度過去問を回してから、徐々にノルマを厳しくしていくと良いと思います。私の場合は、試験時間よりも10分短い時間で解いていました。

権利関係

民法に関しては、テキストの通読をしながら条文をチェックしていくと、より理解が深まると思います。条文では固い日本語が使われているので、はじめはものすごく読みにくいですが、繰り返し読んでいるうちに慣れてきます。

不動産登記法は2問しか出題されませんが、簡単な問題も出題されるので、そういう問題を確実に回答できるように、テキストにある知識は完璧に身につけておいてください。毎年1問や2問で涙を流す受験生が多いことから考えると、2問しか出題されない不動産登記法も貴重な得点源です。しっかり勉強しておいた方がよいと思います。

法令上の制限

この分野に関しては、本試験では、特別ボーナスみたいに簡単な問題が出題されたりするので、テキストに出ていることは確実に覚えましょう!具体的には、テキストを通読している時に、テキストを手で隠して、その部分を暗唱してみて、覚えているかどうかを確認していきましょう。すべての知識についてこれができたら、法令上の制限は完璧といって良いと思います。私も、テキストを手で隠して、夜な夜な一人で「建ぺい率が〜」なんてボソボソつぶやいていた覚えがあります。笑

ただ、法令上の制限では紛らわしい問題も出題されるので、過去問を解く際は注意して問題文を読むように心がけましょう!普段からそういう姿勢で問題文を読んでいれば、本試験でも落ち着いて問題文を読むことができ、ケアレスミスで失点することはなくなるはずです。

宅建業法

宅建業法は、最も問題数が多いので、他の受験生が万全に対策してくる分野です。なので、テキストで暗唱できない知識があるとマズいです。その時点で合格は難しいと思ってください。この試験は相対評価なので、他の受験生ができることは確実にできるようにしておくことが何より重要なのです。

一方で、本試験では結構難しい問題が出題される年があります。この分野は、テキストに出てくる知識を暗記していて当たり前で、その力の中で、本試験でいかに失点をなくせるかというスタンスで取り組むのがベストです。なので、間違っても他の科目をおろそかにしてまで宅建業法を得点源にするのは絶対にやめてください。

ちなみに、私の感想だと、得点源にすべきなのは、権利関係の民法と法令上の制限だと考えています。一方で、この二つの分野は苦手な受験生が多いので、得意分野にできるとかなり有利です。

その他

土地・建物

私は、中でも土地・建物がとても苦手でした。テキストに書いてあることは理解できたのですが、過去問となるとほとんど解けませんでした。特に建物に関しては、本試験で全く正解できなかったですね。笑

しかし、新たに専門的な教材を用意して勉強するようなことはしませんでした。なぜかというと、問題数が少ないだけでなく、どんな問題も確実に回答できるようになるまでにものすごい勉強量が必要な分野なので、そこに時間をかけても意味がないと思ったからです。要するに、コストパフォーマンスが悪い分野なのです。

読者の中に、私と同じような方がいらっしゃるかもしれませんが、この分野に時間をかけると、かえって合格から遠ざかってしまうので、間違っても新たに教材をそろえるなんてことはしないでくださいね。

過去問を解けなくてもあまり落ち込まずに、「本番で解けたらうれしいな〜。」という感じで楽観的に考えるくらいが丁度よいと思います。

対策としては、テキストと過去問の知識を完璧に覚えるだけでいいと思います。

それ以外

それ以外には、税金や住宅ローン、景品表示法、不動産鑑定評価基準等の専門的な分野が出題されますが、テキストに出てくることをしっかり勉強しておけば、比較的簡単に回答できる問題が出題されるので、これもテキストと過去問の対策だけで十分です。

継続は合格になる

宅建士試験に合格することを決意した時の気持ちを、本試験まで維持することは難しいです。特に、勉強を始めたばかりの方は、思うように勉強が進まず、途中で勉強をやめたくなるかもしれません。しかし、これは自然な現象です。自分にやる気がないのではないかとか、精神力が足りないのではないか、と落ち込む必要は全くありません。新しいことを勉強しているわけですから、わからなくて当たり前ですし、立ち止まって当たり前なのです。そんな苦しい状況の中でも、いつも通りの勉強量をこなすことができるかということが一番大切だと思います。

そして、どんな状況下でも勉強を継続するために重要なのは、合格したいという強い思いだけです。合格したいという強い気持ちがあれば、どんなにつらくなっても、日々勉強を続けることができるはずです。そして、毎日勉強を続けていれば、それは自分の習慣となり、勉強をしていないと気持ち悪い状態になります。そうなれば、後は合格に向けて突き進むだけです。

合格したら良いことが待っています。周囲の友人や家族も喜んでくれますし、何よりも自分に自信がつくと思います。場合によっては、給料が上がったり、転職のチャンスに恵まれるかもしれません。

つらいことは嬉しいことの代償です。受験生はみんな苦しいはずです。そう思って日々頑張りましょう。

たまには自分を休ませてあげましょう

勉強の合間に、数分の休憩を必ず入れるようにして下さい。ぶっ続けで5時間といったペースで勉強をしても、かえって勉強の効率が下がってしまうからです。例えば、1時間勉強したらお菓子を食べる、もう1時間勉強したら散歩に出るなど、日々の勉強の中で小さな楽しみを作っておくと良いです。

合格までの勉強は300時間も必要で、時にはその時間をとても長く感じることもあるでしょう。なので、日々の勉強に張りがでるように、自分に小さなご褒美を与えるのです。ちなみに、私は、朝の始めに「コーヒー&お菓子タイム」を作って、早起きをするための理由にしていました。笑

今日は頑張ったから、明日友達とショッピングに行こう♬というご褒美でもよいと思います。(直前期はやめた方がいいと思いますが。)

休むために頑張る、頑張ったら休む!という風に、勉強と休憩をバランスよく取り入れることで、勉強に疲れたり、遊びすぎて後悔することはなくなるでしょう。

本番での姿勢

毎日勉強を続けてきたあなたは、その力を出し切るだけです。何一つ不安に思うことはありません。

しかし、それでも不安になってしまう…。実際は、そういう方がほとんどだと思います。私もそうでした。

しかも、本試験前は、変なことで不安になってしまうものです。試験中にトイレに行きたくなったらどうしようとか、ものすごく難しい問題が出て自分だけ解けなかったらどうしようとか、隣の人がうるさい人だったらどうしよう、他の受験生めちゃくちゃ勉強してるしすごい優秀そうだな、マークシートがうまくぬれなかったらどうしよう…考えだしたら本当にきりがないくらい不安な要素は出てきます。

しかし、これらの不安な要素は、合格に必要な勉強をこなしている受験生にとっては、全く重要ではありません。

試験中にトイレに行きたくなったら

我慢せずにトイレに行ってください。我慢していると集中力が低下し、問題の正答率が下がってしまう可能性があります。あなたは合格に必要な勉強をしているわけですから、トイレに行っても問題を解くのに必要な時間は十分に確保できるはずです。

ものすごく難しい問題が出たら

そういう問題は他の受験生も解けないはずなので、自分だけ解けないなんてことはあり得ません。あなたは合格に必要な勉強をしているわけですから、他の受験生が解ける問題であれば解けるはずです。見たこともない問題がでたら、飛ばそうというくらいの気持ちで取り組みましょう。強気が大事です。

隣の人がうるさい人だったら

もし運悪く隣の席がうるさい人だった場合は、とにかく気にしないことです。全神経を試験のことに集中させてください。

試験中にうるさいといっても、たいていの場合は、あくまでも試験中だから気になる程度の音です。例えば、椅子がきしむ音とか鼻水をすする音、咳などですよね。

合格に必要な勉強をしていれば、この程度のことが合否に影響することはありませんので、安心してください。たとえうるさいと感じてイライラしても、いつも通り問題を解くことができるはずです。

他の受験生が優秀そうだと思ったら

自分に都合の良い解釈をしてみてください。例えば、受験生を見渡してから「どう考えても、この部屋の受験生の中で私が一番勉強してるし!」と言い聞かせたり、ボロボロになっているテキストで勉強している受験生がいたら、「いや、私のテキストの方がボロボロだよ!」とか。

試験開始前は少しだけ時間があるので、準備が終わったら、自分より前に座っている受験生を眺めてみてください。色々な方がいらっしゃるので、緊張の高まりを落ち着かせるのに良いと思います。うつむいているよりも、前を向いていた方が何となく強気になれる気がしますよ。

ちなみに、試験場で勉強はしない方が良いと思います。通常であれば、あまり集中できず効率が悪いからです。もちろん、集中できる!というメンタルの強い方は勉強しても良いと思います。

マークシートが上手くぬれなかったら

上手くぬれなくてもよいと思います。一番良くないのは、マークシートを上手くぬれないことが原因で焦ってしまい、まともな精神状態で問題が解けなくなることです。

私は手先が不器用なので、マークシートについては結構心配していました。実際、試験中に手が震えてはみ出してしまい、何度も消しゴムで訂正した気がします。それでも、なんとか試験中に問題を解き終えることができました。

 

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