民法の構造
民法は、大きく財産法と家族法に分かれます。
ここでは、民法のどの部分でどのようなことが定められているかについて大まかな説明をします。
あくまで大まかな説明をして民法の全体像を把握してもらうためのものなので、詳しい説明は省略します。「手付」とか「担保責任」、「危険負担」といったような聞いたこともないような用語が出てきても気にしないで、民法の全体像を把握することに集中して読み進めてください。
また、これはあくまで読み物であって覚えるものではありません。もちろん、最終的には頭に入れてほしいことですが、それは勉強しているうちに自然に身に付いてくることなので、覚えようと躍起にならず、リラックスして読んでください。
財産法
財産法は、私人間の財産取引に関して規定している民法の一分野です。具体的には、民法の第一編から第三編を指します。
第一編 総則
権利能力
法律行為は、権利能力がある者でないと行うことができません。権利能力とは、権利を持ち義務を負担する主体となることができる能力のことです。
権利能力を有するのは自然人(人間のことだと考えてよいです)や法人です。
自然人は出生により権利能力を取得する(民法3条1項)ので、現在生存している人は権利能力を有することになります。
第3条
1項 私権の享有は、出生に始まる。
胎児は原則として権利能力を持っていません。しかし、胎児だからといって権利能力を認めなければ、出生の時期によって不公平な結果となる場合があります。そこで、胎児にも権利能力が認められているのが、相続(法886条1項)・遺贈・損害賠償請求(法709条)です。
ここで過去問を解いてみましょう。○か×かで答えてください。
自己所有の土地を売却するAの売買契約の相手方に関する問題です。
買主である団体Dが法律の規定に基づかずに成立した権利能力を有しない任意の団体であった場合、DがAとの間で売買契約を締結しても、当該土地の所有権はDに帰属しない。(平成17年度第一問・肢3)
解けましたか?
それでは、解説していきましょう。
権利能力とは、権利を持ち義務を負担することができる能力のことです。
通常の場合、買主が土地の売買契約を締結すれば、土地を所有する権利を取得することになります。
しかし、Dには権利能力がないので、土地の所有権を取得することができません。
よって、本問の記述は○です。
制限行為能力者制度
法律行為をするためには、行為能力を持っている必要があります。行為能力とは、単独で確定的に有効な法律行為をする能力のことです。法律行為にはいくつかありますが、その代表例が契約です。
しかし、世の中には行為能力を有しない人がいます。
未成年者や精神病をかかえた人は、正常な判断をすることができないので、法律で保護する必要があります。
そこで、制限行為能力者制度というものがあります。
この制度は、未成年者や精神病をかかえている人が法定代理人(親権者など)に無断で行った法律行為を取り消すことができるというものです。(精神病をかかえている人については、家庭裁判所の審判が必要です)
ちなみに、未成年者というのは20歳未満の人のことをいいます。
第4条(成年)
年齢20歳をもって、成年とする。
この制度は、制限行為能力者による法律行為を取り消すことになるので、制限行為能力者と取引をした相手方に損害を与えてしまう可能性があります。
そこで、精神病をかかえている人が制限行為能力者として保護されるためには、事前に家庭裁判所の審判を受けておく必要があります。
なお、未成年者であるか否かは年齢上明らかなので、家庭裁判所の審判を受けて登記で公示する必要はありません。
意思能力
意思能力とは、自己の行為によりどのような結果が生じるのかについて正常な判断ができる能力のことです。意思能力を有する人であれば、100万円の絵画を買えば、100万円を支払わなければならないことになるとわかります。
しかし、お酒を飲み過ぎて泥酔している人は、自分が何をしているか認識できないので、意思能力がありません。このように意思能力がない人が法律行為をしても、その法律行為は無効となります。
また、アルツハイマーなどの重度の精神病をかかえている人も、自分の意思能力がないことを理由に法律行為の無効を主張することができます。
もちろん、これらの人々は、家庭裁判所の審判を受けて登記をしていれば、制限行為能力者としても保護されます。この場合は、法律行為を取り消すこともできます。
法律行為の効果について争いが生じて裁判になったとしても、自分に有利な方を主張すればよいのです。
物
通常は「もの」と読みますが、民法の勉強では「ぶつ」ともいわれたりします。法律行為の目的物となる「物」とは何かについて規定しています。民法上では・・・
第85条(定義)
この法律において「物」とは、有体物をいう。
・・・と規定されています。有体物とは、 人間以外で空間の一部を占める有体的なものをいいます。
人間以外ということは空気も有体物にあたるのか?
そういう疑問が出た人もいるかもしれません。しかし、空気は有体物ではありません。なぜなら、有体的なものではないからです。有体的かどうかの判断基準は、以下の3つです。
- 特定性があること
- 独立性があること
- 支配可能なこと
「ここからここまでの空気をあなたに売ります」といっても、空気は空中にフワフワ浮いていて常に動くものなので、売買の対象を特定することはできません。
それでは、空気を支配することはできるでしょうか。支配といっても、必ずしも常に手に持っている必要はありません。例えば、あなたの部屋にはあなたの所有物がたくさん置いてあると思いますが、あなたが部屋を留守にしている時であっても、あなたの部屋にある物はあなたが支配していることになります。
とすると、空気は常に動くため、あなたの支配領域から簡単に出ていってしまうので、空気を支配することはできません。
ちなみに、独立性があることというのは、物の一部ではないことを意味します。例えば、あなたの持ち家の屋根の部分だけを売ることはできません。屋根はあくまで一つの建物の一部であって、独立性がないからです。
意思表示
そして、そうした「人」や「法人」は、特定の物について、意思表示により法律行為をすることができます。例えば、Bが「D土地を買いたい」と言った(申込みの意思表示)のに対して、Aが「わかりました。D土地を売りましょう」と言う(承諾の意思表示)だけでAB間におけるD土地の売買契約が成立します。
法律行為にはいくつかありますが、上述した申込や承諾の意思表示のように単独でできるものや、二人でなければできない契約も法律行為の一つです。
このような意思表示が常に完璧にされれば全く問題ないのですが、残念ながら、人は勘違いをしたり、誰かの利益を犠牲にしてまで自分の利益を優先することがあるものです。このような人の性質から、意思表示に瑕疵が生じうる典型的な場合にどう対処することができるかについて規定されています。具体的には、錯誤や虚偽表示、詐欺、強迫(きょうはく)などがあります。ここでいう強迫とは、刑法上処罰の対象となる脅迫とは異なりますので、ご注意ください。
期間の計算
また、財産上の取引をするにあたっては、期間の長短により、当事者に生じる権利・義務に大きな差が生じることになります。
そこで、期間の計算についても規定されています。
時効
時効とは、真実の権利関係と異なる事実状態が長期間継続した場合、その事実状態を尊重して権利関係を認める制度です。逆に、一定期間行使せずに放っておいた場合には、その権利を失うこともあります。これも時効制度の一種です。
なぜこういったものが定められたのかについては、該当箇所で詳しく説明します。
以上、総則で規定されていることを大まかにみてきました。この総則で規定されている事項は、民法全体に適用されます。物権や債権の中にも総則がありますが、これはここでいう第一編の総則とは別物なので注意してください。
第二編 物権
物権とは、不特定多数の者に対して主張できる排他的権利のことで、占有権(第二章)や所有権(第三章)、用益物権(第四章〜第六章)、担保物権(第七章〜第十章)がこれにあたります。
所有権
所有権とは、特定の物を自己のために排他的に支配をする権利です。あなたがいつもペンケースに入れているシャーペンはあなたに所有権があります。
占有権
占有権とは、物を所持する権利であって、所有する権利である所有権とは異なります。所有権があるからといって、その物の占有者から取り返すことを法律上認めてしまうと、社会が殺伐として財産秩序が乱されてしまいます。
そこで、財産秩序を維持する為に、占有権が規定されているのです。
例えば、あなたの絵画が私に盗まれたとします。あなたは取り返したい気持ちで一杯です。そして、あなたは数日後に私の住所を突き止め絵画も私の自宅にあることがわかりました。
しかし、たとえあなたが絵画の所有者でも、私の自宅に勝手に侵入して絵画を持ち帰ることは法律上認められていないのです。私から絵画を取り返すには、占有者である私に任意に返還してもらうか、裁判手続を経て強制執行をすることになります。
それは、私がそのツボに占有権を持っているからなのです。
用益物権
用益物権とは、他人の土地を使わせてもらったり、収益をあげさせてもらうための権利です。地上権や地役権などがこれにあたります。これも物権の一種なので、非常に強い権利です。例えば、地上権を設定された土地の底地の価値は、全体の3割程度になってしまうといわれています。
地上権を設定しても土地の所有者は依然として存在しますが、地上権を除いた部分、つまり土地の使用収益ができない土地所有者としての立場を有するのみです。とすると、一般的に地上権が設定された土地の価値は暴落します。土地は使えるからこそ価値があるからです。
イメージとしてはこうです。地上権が設定された土地の所有者はこの底地を有するにすぎなくなるのです。
担保物権
担保物権とは、例えばお金を貸す際に、債務者がお金を返せなくなった時のために、債務者の所有物を担保に入れたりしますが、担保に入れた債務者の所有物に対して成立する権利のことをいいます。具体的には抵当権や質権などがあります。
物権の性質
上記で説明したものはすべて物権ですが、物権にはどういった性質があるのでしょうか。以下、一番分かりやすい所有権を例に説明します。
例えば、あなたが持っているペンに所有権があることは、日本中の人々に対して主張することができますよね。これは物権の最も重要な性質の一つです。
物権の対義語として債権がありますが、これと比較すると分かりやすいです。例えば、あなたが友人Aに対してお金を貸している場合、あなたは友人Aに対して貸金返還請求権を持っています。この貸金返還請求権は、物権ではなく債権です。この貸金返還請求権はあくまで友人Aに「金を返せ」というための権利であって、日本中の人々に「金を返せ」とはいえないですよね。このように特定の者に対してしか主張できない権利を債権といいます。
日本中の人に対して主張できる物権とは大違いですよね。このような違いから以下のようにいわれたりします。
物権には絶対性、債権には相対性がある。
また、物権を支配する権利は、第三者が介在することなく直接的に物を支配することを保証しています。これを物権の直接性といいます。
このように、物権は物に対する直接的な支配権なので、一つの物権が存在する物の上には同じ内容の物権は成立しません。これを物権の排他性といいます。
一方、債権は、間接性を有するにすぎず、排他性もありません。
これは物権と債権の違いを理解する上で非常に大切なので、頭に叩き込んでおいてください。
このように、物権というのは大変強い権利です。ですから、どんな物権でも作れてしまうとすると、社会は大混乱してしまいます。例えば、私が「自分の半径1km以内に入ってきた人に対して1秒1,000円を請求することができる物権」を自分で作りそれが法律上も認められるとしたら、皆さんは大迷惑ですよね。例えば、知らないうちに私と同じ電車に乗り合わせて1時間一緒に乗っていれば、ある日突然360万円請求されてしまうことになるからです。
物権は大変強い権利だからこそ、それだけ強く制限をしなくてはなりません。そこで、このような規定がされています。
175条(物権の創設)
物権は、この法律その他の法律に定めるものの他、創設することができない。
民法やその他の法律で定めるもの以外の物権は認めないということです。議院内閣制を採用するわが国では、法律は国民の意思に基づいて制定されるので、上記のようなとんでもない物権が作られることは永遠にないでしょう。笑
相隣関係(そうりんかんけい)
相隣関係とは、ご近所との関係のことをいいます。これは所有権(第三章)の中に規定されているのですが、ご近所同士では特に問題が生じやすいので特別に規定されていると理解しておいてください。例えば・・・
233条(竹木の枝の切除および根の切取り)
隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる。
・・・といったおもしろい規定があります。他にも面白い規定があるので、勉強の息抜きに眺めてみると面白いかもしれません。ちなみに、相隣関係は民法の209条〜238条に規定されています。ただし、あまり深入りしすぎないようにしてください。相隣関係は試験に必要なところが限られているからです。それは該当箇所で説明します。
第三編 債権
前述した通り、債権は特定の者に対してしか主張できない権利ですが、第三編では、この債権について規定されています。
第一章 総則
総則の規定は、第三編で規定されている債権全体に適用される規定です。すなわち、第一章の総則の規定は、第二章の契約にも適用されます。
債権の種類
債権といっても多くのものがあります。
例えば、建物の売買契約により売主が買主に対して取得する売買代金支払請求権も債権ですし、金銭消費貸借契約(お金を貸し借りする契約のことです)において貸主が取得する借主に対する貸金返還請求権も債権です。後者の方が、一般的な言葉から想像しやすいと思いますが、前者のような債権もあります。
例えば、AがBに建物を売却する場合、AB間では売買契約を締結することになりますが、売主Aは、買主に売買代金を請求する権利(債権)を取得します。
このように、債権には様々なのものがあり、多くの場合は契約によって発生します。
契約上の義務が履行されなかったら・・・
売買契約により、Aが売買代金請求権を取得する一方、Bは売買代金支払義務を負います。(詳しくは、「民法とは」をご覧下さい。)
そして、この売買代金支払債務が履行されれば全く問題ないのですが、世の中そう簡単ではありません。Bが売買代金を支払わない場合があります。
そして、Bが売買代金を支払わなければ、AはBに対して損害賠償請求をしたり契約を解除することができます。
このように、契約上の義務を履行しないことによって負う責任のことを債務不履行責任といいます。
目的物に欠陥があったり、契約後に義務を履行できなくなったら・・・
また、売買契約前から目的物(ここでは、建物)に欠陥があると、BはAにに対して損害賠償請求をしたり売買契約を解除したりすることができます(担保責任)。
さらに、契約が締結された後に建物が落雷で火事になり全焼してしまった場合、Aは建物引渡義務を履行できなくなりますが、依然としてAは代金支払請求権を有するということもあります(危険負担)。これには理由があるので、後ほど該当箇所で説明します。
担保責任や危険負担など、聞いたこともない用語が出てくると思いますが、今は気にしないでください。
債権者代位権(さいけんしゃだいいけん)
AがBにお金を貸していて、BもCにお金を貸している場合を考えてください。ここでは、BはCに対する債権以外に財産を持っていないとします。
この図では矢印が始まる方を債権者、矢印の先の方を債務者として表しています。 また、Cのように債務者(B)の債務者になっている人を債権者からみて第三債務者といいます。
この場合、BはCに債権を行使しても自分にお金が入ってくるわけではないので、Cに対する債権の行使はいい加減になってしまいがちです。一方、Aは、BがCからお金を払ってもらいそれを最終的に自己に支払ってもらうしか自己の債権を支払ってもらう方法はありません。そこで、債権者が第三債務者に債務の支払を直接自己に支払うよう請求することができます。このように、債権者が第三債務者に直接債務者の債権を行使する権利を債権者代位権といいます。この債権者代位権は、原則として債務者が無資力である場合に限って、行使することができます。本事例では、BがCに対する債権以外に財産を持っておらずBは無資力なので、Aは債権者代位権を行使できます。
詐害行為取消権(さがいこういとりけしけん)
債務者が債権者に内緒で自己の財産を勝手に処分してしまう場合があります。例えば、債務者は債権者から30万円を借りているにもかかわらず、自己の唯一の財産である50万円を友人に贈与してしまった場合を考えてみてください。そうすると、債権者は債務者に30万円を支払ってもらうことができなくなるので、債権の回収ができずに困ってしまいます。
なぜ債務者が50万円を友人に贈与するのか疑問に思った人がいるかもしれません。確かに、50万円を友人に贈与することは、債務者には全く利益のないことのように思えます。しかし、こうした贈与をするのは、財産隠しのためであることが多いと考えてください(もちろん、そうでない場合もあります)。債務者と友人が予め口裏を合わせて、表向きには債務者が友人に贈与した形にするのです。そうしておけば、たとえ債権者が勝訴判決を得ても、債務者には強制執行する財産がないので、勝訴判決は紙くずです。
そこで、これを防ぐ為に債権者に認められた権利が、詐害行為取消権です。詐害行為というのは、債務者が債権者を害することを知りながら自己の財産を処分する行為のことです。こうした行為を取り消す権利が債権者に与えられているのです。
ただ、なんでもかんでも取消ができるとすると、せっかく50万円の贈与を受けた被贈与者に酷です。そこで、債務者の取引相手も債務者の行為が債権者を害する行為であることを知っていなければ、債権者は詐害行為取消権を行使できません。例えば、先ほどの贈与契約で説明すると、被贈与者も本件贈与が債権者を害することを知っている場合に限り(財産隠しであれば)、債権者は被贈与者に30万円を直接自己に支払うよう請求できます。
もちろん、債務者は友人を助けたいという思いで、50万円を贈与した可能性もありますが、この贈与が財産隠しか否かを判断させる問題は宅建試験では出題されないので、気にしないでください。財産隠しであれば、その旨が問題文に明記されるはずです。
債権の消滅原因
債権はいかなる場合により消滅するかについても規定されています。具体的には、債権譲渡や弁済、相殺などがあります。これらは後で詳しく説明します。
債権の保証
何の保証もない債務者にお金を貸すことは、債権者にとって不安です。もし債務者が借金を返すことができなければ、お金を貸した自分だけ損をすることになる可能性があるからです。
そこで、債務者が債務を履行できなかった時のために、別の人に保証してもらいます。具体的には、連帯債務、保証、連帯保証といったものがあります。これらは、担保物権と同様の機能を果たしますが、担保物権は物で保証する物的担保であるのに対して、連帯債務・保証・連帯保証は人に保証を頼むことから人的担保といわれています。
現代の取引社会では、余程の信用がなければ、お金を貸す時は物的担保や人的担保をつけるのが普通です。
第二章 契約
典型契約
当事者の合意によってなされる契約により生じる債権について規定されています。
ここでは、一般的に締結されることが多い典型的な契約について規定されています。具体的には、贈与、売買、交換、消費貸借、使用貸借、賃貸借、雇用、請負、委任、寄託、組合、終身定期金、和解です。これらの契約を典型契約といいます。
典型契約とは、民法に規定されている契約のことです。
宅建試験では、主に売買、賃貸借、贈与、請負、委任を勉強していきます。
契約上の権利義務
例えば、AがBに土地を売却する売買契約を締結すると、Aは、Bに対して代金の支払を請求する権利を取得する一方、Bに土地を引き渡す義務を負うことになります。
一方、Bは、Aに対して土地の引渡を請求する権利を取得する一方、Aに代金を支払う義務を負うことになります。
このように、契約を締結すると、契約をした人は権利・義務が生じることになります。
契約以外の債権の発生原因 – 不法行為
債権は、契約のように当事者の意思表示により生じることが多いといいましたが、当事者の意思に基づかないで債権が生じることもあります。不法行為がその最たるものです。例えば、あなたがわき見運転をして人をはねてしまった場合、その人はあなたに対して損害賠償請求権という債権を取得します。しかし、あなたはその人との間に契約関係はありませんよね。
このように、当事者の意思に基づかないで債権が生じる場合は不法行為以外にも不当利得や事務管理がありますが、宅建試験では不法行為が主に出題されるので、そちらを重点的に勉強していきます。
家族法
第四編 親族
結婚・離婚、縁組・離縁といった家族関係に関することが規定されています。宅建試験では出題可能性が低いので、これくらい知っておけば十分です。
第五編 相続
相続については、聞いたことがある人も多いと思います。例えば、あなたの父方の祖父が死亡した場合は、あなたの祖母と父、父の兄弟姉妹が祖父の財産を相続することになります。
相続においては家族間で醜い争いが生じることが多いです。そこで、このような争いを未然に防ぐために、具体的な相続分や誰が相続できるか、又は、どういう人が相続できないのかという点が細かく規定されています。
以上、民法の全体像を見てきました。
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